歯科医師ゆうのブログBlog

2023/05/22

婚活アプリで成婚はコロナ禍ならでは⁉︎パート②


こんにちは‼︎
歯科医師のゆうです‼︎

今回も前回婚活アプリで成婚はコロナ禍ならでは⁉︎パート①に引き続き、先輩女医のEさんについて、お話していきたいと思います。

 

卵子凍結を始めることになったEさん


卵子凍結を始めるまでの経緯については、前回のブログでお話した通りです。


卵子凍結をするにあたり、まずは、排卵誘発剤を用いて、卵胞育てる必要があります。卵胞を育てるためには内服薬や自己注射などを排卵誘発剤を用いて行われるとのことですが、この排卵誘発剤は副作用が見られることが多く、身心共にかなりの負担となるため、本当に辛い思いをされる女性が多いそうです。

そして、卵子が発育したら、いよいよ採卵です。


採卵時には針を使用するため出血がおこる可能があります。卵巣過剰刺激症候群(OHSS)や出血の頻度は高くありませんが、このようなリスクも考えられるとのことです。

また、無事に採卵された卵子が凍結されたとしても、その凍結卵子から必ず妊娠・出産に成功するわけでもありません。卵子細胞は他の細胞と違って分裂によって増えることはなく、年齢を経るほどその数は減っていき、さらには、30歳の卵子は30年経過しており、40歳なら40年が経過した細胞ということになります。

細胞は加齢によって分裂時の染色体異常がおこる確率が高くなるため、年齢が35歳を過ぎると出産率は低くなり、流産率は高くなります。

また、卵子の凍結融解作業によって卵子に負担がかかり、卵子の質が低下することも考えられるため、十分な数の卵子を凍結保存しておく必要があるそうです。

そもそも卵子のもとは卵母細胞で、この卵母細胞はお母さんのお腹の中にいる時に作られます。生まれた時は200万個ある卵子ですが、その後、成長とともに減少し、思春期には20〜30万個、35歳では2〜3万個にまで減ってしまうそうです。そして、卵子は新しく作られることがないため、加齢と共に質も下がっていってしまいます。


この消えてなくなるはずの卵子を将来のためにとっておくことを可能にしてくれるのが卵子凍結で、なるべく若い段階で卵子凍結を行うことで、年齢とともに低下する卵子の質も保ちながら、将来の妊娠に備えることを可能になるとのことです。
ちなみに、卵子凍結後の妊娠率は、胚移植(受精卵を子宮に戻すこと)あたり、約25%といわれています。


凍結胚移植(凍結した受精卵を子宮に戻すこと)の場合、日本での妊娠率は36%なので、卵子凍結よりも受精卵を凍結させた場合のほうが妊娠率が高いことがわかります。

未婚女性は卵子の状態でしか、凍結できないそうですが、既婚女性でパートナーが定まっている女性であれば、受精卵として凍結することが可能ということです。なので、少しでも妊娠出来る可能性をあげるためにも、たとえ今すぐの妊娠、出産は考えられないとしても、将来的に現パートナーのお子さんを考えているご夫妻の場合は、受精卵での凍結を行っておくことも一つの選択肢として考えてみてもよろしいのではないでしょうか。 

とはいえ、卵子凍結は、基本的には、保険診療ではなく自由診療のため、全額自己負担となります。クリニックにもよりますが、検査や排卵誘発、採卵、凍結費用などでだいたい数十万円必要となり、卵子の保存にも、年間で1個あたり数万円の費用が発生します。

ただし、医学的適応による未受精卵子凍結については、助成を受けられる場合があります。凍結保存時の年齢が43歳未満であり、がんなどの治療によって妊娠が難しくなる可能性がある場合などが対象とのことです。

未受精卵子凍結の助成費用としては、1回あたり20万円まで、通算2回まで助成を受けられます(受精卵凍結などほかの治療を受けた場合であっても通算2回まで)。また、基本的には社会的適応による卵子凍結は、公的な助成金がありませんが、最近では女性の福利厚生として、社会的適応による卵子凍結の費用の一部補助を始めた企業も出てきているそうですので、ご興味があれば、ご自身のお勤めの企業に一度問い合わせてみてもいいかと思います。

とにかく、Eさんには迷ってる時間などありませんでした。閉経してしまっては元も子もないということで、まずは取れるだけの卵子を取り、より多くの卵子を凍結できるよう、すぐに治療に取り掛かることにしたそうです。

心配なのは排卵誘発剤の副作用でした。副作用には個人差があるとはいえ、今まで通り仕事を続けていけるのか。通院ですら、ままならない忙しいお仕事なのに、心身的に辛い状況下での勤務。私たちの職業は代わりが成り立たないため、急にお休みするということはなかなか難しいのが現実です。誰よりも責任感の強いEさんにとって、この治療を開始する事自体、かなりの不安の種になってしまっていました。

排卵誘発剤の副作用ですが、Eさん自身も、排卵誘発剤によって受ける刺激で卵巣が膨れて腹水や胸水がたまってしまい、排卵誘発剤を使用中は、腹痛や吐き気、おなかの張りなどの症状などにすごく悩まされたとのことでした。

すでにたくさんの不安や心配事で、精神的に追い詰められているギリギリの状態なのに、身体も辛い状況に追い詰められ、あまりの辛さに旦那さんに強くあたってしまい、喧嘩になってしまったり、時には自分の大人げない態度に嫌気がさし、自己嫌悪に陥ってしまったり…と、自分の感情が上手くコントロールできず、その結果周りまで巻き込んでしまうことも多く、本当に本当に辛かったとのことでした。

私たちの仕事は、代わりがいないため、自己管理が出来ないのはもっての他で、急な体調不良で休めません。また、患者さんの急変で帰れなくなったり、突然呼び出されることがあるのも日常茶飯事。常に連絡が取れる状態でいないといけないこの特殊な業務体系は同業でないと理解できないと思います。

このため、異業種のEさんの旦那さんも、心身ともに辛い状況の中、無理して頑張り続けなければならないEさんの仕事環境ことがなかなか理解出来ず、悪気は無いのですが、無意識に心無い発言をしてしまい、それが原因となり、喧嘩になってしまうこともあったそうです。

排卵誘発剤の副作用の辛さはもちろん、自分で注射をする事自体もかなり辛いものとのことで、職業柄、注射をすることは慣れているEさんですら、お腹に刺す自己注射は毎回本当に辛かったそうです。Eさんは、実際に自己注射を経験してみて、糖尿病などの持病で自己注射を余儀なくされる患者さんの辛さが身に染みて分かったと言っていました。

さてさて、今後のEさんの卵子凍結の行方はどのような展開になっていくのか…この続きはまた次回のブログでお話したいと思います。

今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。また次回のブログでお会いしましょう。

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