女医めぇこのブログBlog

2025/08/15

熟年離婚の果てに・・・

こんにちは!
外科系女医めぇこです。


今年の夏も暑いですね!!しかし最早この暑さにも慣れてきたような気もします。私が子供の時は夏と言えば海やプール遊びといった外遊びが楽しみな季節でした。今は外遊びが危険といわれる日も多いですから、子供達がどこでどうやって楽しく遊んでくれるか日々考えています。

 

病院で出会った熟年離婚直後の患者さん


さて、今回の話は出産前に経験したことになります。
ある日の外来で高齢男性が搬送され緊急入院となりました。説明や手続きのため家族について尋ねると患者さんは「実は今朝、離婚届を出してきたばかりなんです・・・」と弱々しく答えました。

一応こちらから妻子に電話してみるも「もうあの人とは関わらない」と関わりを断固拒否されました。頼れる親族などもおらず、キーパーソン不在の状態となってしまいました。

事情を聞けば、長年家庭内暴力をふるい、アルコールやギャンブルにも溺れ給料を自分で散財させていたそうです。そしてついに熟年離婚になったとのこと。

正直、研修医時代の私なら「家族に見放されて可哀そう。病人を放っておくなんて家族は血も涙もない」と思っていたかもしれません。

実際にこういった患者さんは少なくないので、当時は憐みの感情を抱いていました。それが10年経つと変わりますね。

今ではこういう患者さんをみるともちろん憐みの気持ちもありますが、「これは過去の自分の行動が自分に返ってきているのかもしれない」という思いの方が強いです。

この患者さんに至っては、離婚届提出後に倒れたのですから本当に天罰が下ったように見えます。

もちろん、病める人に冷たくするわけではありません。医療は医療。必要な治療はちゃんとやります。

きっと奥さんや子供さんはこの人よりも何十倍も苦しい思いをしたのだろうと胸が痛くなります。長年よく耐えてやっと離婚できる、むしろよく頑張ったね、離婚おめでとうございます!という言葉を掛けたくなります。


人間関係は日々の積み重ね


そして人間関係って、長年の積み重ねでできているんだなと改めて実感しました。優しさも信頼も、ある日突然生まれるわけじゃないですよね。

逆に、暴力やモラハラも積み重なれば、いざという時に誰も手を差し伸べなくなってしまいます。他者への暴力は結果的に自分を苦しめるものになるのでしょう。

神様も見ているはず。
将来、もし自分に何かあった時、家族は迷わず駆けつけてくれるかな・・・その答えは、きっと今日の自分の行動にかかっているんだと思います。

Archive

ページトップへ